スペインで不動産を購入する際、購入価格の支払いだけでなく、税金や追加費用も考慮する必要があります。これらの費用は不動産価格の10~15%に達する可能性があるため、予算計画に含めることが重要です。本記事では、支払うべき税金の詳細を説明し、正しく管理するための有用なアドバイスを提供します。
不動産購入時に発生する主な税金
税金の額は、不動産の種類(新築または中古)および所在地域によって異なります。
1. 不動産譲渡税(ITP)
この税金は、中古不動産を購入する際に支払う必要があります。税率は、自治州によって6%~10%の範囲で異なります。
- 地域別の税率例:
- バレンシア州:10%
- アンダルシア州:7%
- マドリード州:6%
計算例:
バレンシア州で300,000ユーロの物件を購入する場合、ITPの税額は30,000ユーロ(10%)となります。詳細は書類準備をご覧ください。
2. 付加価値税(IVA)
新築不動産(初回譲渡)を購入する際には、この税金が適用されます。税率は以下のとおりです:
- 住宅物件(アパート、戸建て、ヴィラ):10%
- 商業用物件:21%
3. 印紙税(AJD)
新築不動産を購入する場合、IVAに加えて印紙税(AJD)の支払いも必要です。税率は地域によって0.5%~1.5%の範囲で異なります。
- 地域別の税率例:
- バレンシア州:1.5%
- アンダルシア州:1.2%
- マドリード州:0.75%
新築不動産の税額計算例:
バレンシア州で300,000ユーロの新築物件を購入する場合:
- IVA(10%):30,000ユーロ
- AJD(1.5%):4,500ユーロ
総税額:34,500ユーロ
不動産購入時の追加費用
1. 公証人手数料
公証人は売買契約を確認し、正式な手続きを行います。手数料は600~1,500ユーロの範囲で、21%のIVAが適用されます。購入手続きでは法律相談を利用することをお勧めします。
2. 不動産登記費用
契約締結後、不動産を不動産登記所に登録する必要があります。登録費用は300~600ユーロ程度です。
3. 法律手続きの費用
取引の安全性を確保するために、弁護士を雇うことをお勧めします。弁護士費用は取引の複雑さに応じて250~1,000ユーロの範囲で変動します。
4. 翻訳サービス
スペイン語を話せない場合、公証役場での手続きの際に通訳を依頼する必要があります。このサービスの費用は300~500ユーロ程度です。詳細は翻訳サービスをご覧ください。
年間発生する不動産税
1. 不動産税(IBI)
この税金は地方自治体によって徴収され、不動産の固定資産評価額(Catastral Value)に基づいて計算されます。税率は0.4%~1.1%の範囲で変動します。
2. 賃貸収入税
不動産を賃貸に出す場合、賃貸収入に対して以下の税率が適用されます:
- EU/EEA(欧州経済領域)居住者:19%
- 非EU居住者:24%
不動産購入の総コスト計算例
例: バレンシア州で300,000ユーロの新築アパートを購入する場合。
費用の詳細:
- IVA(10%):30,000ユーロ
- AJD(1.5%):4,500ユーロ
- 公証人手数料:1,200ユーロ
- 不動産登記費用:500ユーロ
- 法律手続きの費用:800ユーロ
追加費用合計:37,000ユーロ
不動産の総購入価格:337,000ユーロ
役立つアドバイス
- 地域の税率を確認する: 税率は地域によって異なるため、事前に調査しましょう。
- 追加費用を計画する: 物件価格の10~15%を税金や手数料に充てることを想定してください。
- 弁護士に相談する: 取引の安全性を確保し、正確な税額を算出するために弁護士の助言を受???ることが重要です。
- すべての書類を保管する: 税金や手数料の支払い証明書は将来的に必要になる可能性があります。
結論
スペインでの不動産購入には多くの税金が発生します。事前にすべてのコストを把握することで、予期せぬ出費を避け、適切な予算計画を立てることができます。